『オープンデータセミナー 京都府・京都市の取り組み』を開催,多くの方にご参加いただきました。

2018.06.08
「.kyoto」のレジストリ(管理運営事業者)の京都情報大学院大学(KCGI)サイバー京都研究所は2018年5月24日(木),京都コンピュータ学院 京都駅前校 6Fホールにて,京都府,京都市から講師をお招きしてオープンデータへの取り組みをご紹介いただくセミナーを開催しました。

「.kyoto」のレジストリ(管理運営事業者)の京都情報大学院大学(KCGI)サイバー京都研究所は2018年5月24日(木),京都コンピュータ学院 京都駅前校 6Fホールにて,京都府,京都市から講師をお招きしてオープンデータへの取り組みをご紹介いただくセミナーを開催しました。

政府や公的機関では,自由に使えて再利用もでき,かつ誰でも再配布できるオープンデータの積極的な公開を進めていて,この取り組みは京都府・京都市のみならず日本全国,世界的にも波及しています。一部の自治体・部署による「実験的な動き」と捉えられがちだった行政データのオープン化は今後,官民協動による地域の問題解決など,より利活用が進むことが予想されます。

京都府 東 健二郎 政策企画部付主査 京都府 東 健二郎 政策企画部付主査

京都府については東 健二郎 政策企画部付主査に説明いただきました。府の取り組みはデータ・プラットフォームとアクション・プラットフォームに大きく分けられるとし,データ・プラットフォームではデータの提供だけではなく,京都大学公共政策大学院にて授業を行いデータの有効性を検証,さらにデータサイエンティストを養成するために府庁職員のリカレント教育を進めていることが紹介されました。アクション・プラットフォームでは府全域で共創Labやハッカソンを展開して地域に根差した課題の抽出と解決に取り組んでいるといいます。

京都市 井上 景介総合企画局情報化推進室 統計解析担当 課長補佐
京都市 井上 景介総合企画局情報化推進室 統計解析担当 課長補佐

京都市の取り組みについては井上 景介総合企画局情報化推進室 統計解析担当 課長補佐が説明。2016年3月に「はばたけ未来へ!京(みやこ)プラン実施計画第2ステージ」にオープンデータについての記述が盛り込まれたのを機に,同年9月「京都市オープンデータ推進ガイドライン」を策定,「観光・産業」「文化・芸術」「安心安全・防災」を重点分野にオープンデータの取り組みが本格化してきた経緯を紹介いただきました。市の公開するオープンデータの特徴としては,タイトル,タグの検索だけではなく全文検索に対応していること,Map,グラフ,作表などプレビュー機能が充実していること,日本初となる5つ星オープンデータポータルサイトを自動構築する仕組みを実装していることなどを挙げました。オープンデータの利活用においては,観光に自転車の活用を拡大させたいという市の課題に,市民グループ「京の歴史と街並みをつたえ隊」と共同で「chariP naVi」を開発。このアプリケーションは,自治体と市民や学生が協力し,データに基づいて地域課題の解決に取り組むアイデアコンテスト「チャレンジ!!オープンガバナンス2017」において,最高位の「オープンガバナンス総合賞」に輝いたということです。

最後に,京都市は「一般的にはオープンデータ自体の認知度はまだまだ低く,自治体自体の関係者も戸惑いがあるのでさらなる啓発活動と,他都市や関係団体との連携が必要」,京都府は「オープンデータは全てのきっかけであり自身の取り組みを加速させていくことが必要で,学生も含め若者の参画は大歓迎」と呼び掛けて講演を結びました。